Ⅱ歴代誌7-9 ; ヨハネ11:1-29

Ⅱ歴代誌

第7章

7:1ソロモンが祈り終ったとき、天から火が下って燔祭と犠牲を焼き、主の栄光が宮に満ちた。7:2主の栄光が主の宮に満ちたので、祭司たちは主の宮に、はいることができなかった。7:3イスラエルの人々はみな火が下ったのを見、また主の栄光が宮に臨んだのを見て、敷石の上で地にひれ伏して拝し、主に感謝して言った、
「主は恵みふかく、
そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」。
7:4そして王と民は皆主の前に犠牲をささげた。7:5ソロモン王のささげた犠牲は、牛二万二千頭、羊十二万頭であった。こうして王と民は皆神の宮をささげた。7:6祭司はその持ち場に立ち、レビびとも主の楽器をとって立った。その楽器はダビデ王が主に感謝するために造ったもので、ダビデが彼らの手によってさんびをささげるとき、「そのいつくしみは、とこしえに絶えることがない」ととなえさせたものである。祭司は彼らの前でラッパを吹き、すべてのイスラエルびとは立っていた。
7:7ソロモンはまた主の宮の前にある庭の中を聖別し、その所で、燔祭と酬恩祭のあぶらをささげた。これはソロモンが造った青銅の祭壇が、その燔祭と素祭とあぶらとを載せるに足りなかったからである。
7:8その時ソロモンは七日の間祭を行った。ハマテの入口からエジプトの川に至るまでのすべてのイスラエルびとが彼と共にあり、非常に大きな会衆であった。7:9そして八日目に聖会を開いた。彼らは七日の間、祭壇奉献の礼を行い、七日の間祭を行ったが、7:10七月二十三日に至ってソロモンは民をその天幕に帰らせた。皆主がダビデ、ソロモンおよびその民イスラエルに施された恵みのために喜び、かつ心に楽しんで去った。
7:11こうしてソロモンは主の家と王の家とを造り終えた。すなわち彼は主の家と自分の家について、しようと計画したすべての事を首尾よくなし遂げた。7:12時に主は夜ソロモンに現れて言われた、「わたしはあなたの祈を聞き、この所をわたしのために選んで、犠牲をささげる家とした。7:13わたしが天を閉じて雨をなくし、またはわたしがいなごに命じて地の物を食わせ、または疫病を民の中に送るとき、7:14わたしの名をもってとなえられるわたしの民が、もしへりくだり、祈って、わたしの顔を求め、その悪い道を離れるならば、わたしは天から聞いて、その罪をゆるし、その地をいやす。7:15今この所にささげられる祈にわたしの目を開き、耳を傾ける。7:16今わたしはわたしの名をながくここにとどめるために、この宮を選び、かつ聖別した。わたしの目とわたしの心は常にここにある。7:17あなたがもし父ダビデの歩んだようにわたしの前に歩み、わたしが命じたとおりにすべて行って、わたしの定めとおきてとを守るならば、7:18わたしはあなたの父ダビデに契約して『イスラエルを治める人はあなたに欠けることがない』と言ったとおりに、あなたの王の位を堅くする。
7:19しかし、あなたがたがもし翻って、わたしがあなたがたの前に置いた定めと戒めとを捨て、行って他の神々に仕え、それを拝むならば、7:20わたしはあなたがたをわたしの与えた地から抜き去り、またわたしの名のために聖別したこの宮をわたしの前から投げ捨てて、もろもろの民のうちにことわざとし、笑い草とする。7:21またこの宮は高いけれども、ついには、そのかたわらを過ぎる者は皆驚いて、『何ゆえ主はこの地と、この宮とにこのようにされたのか』と言うであろう。7:22その時、人々は答えて『彼らはその先祖たちをエジプトの地から導き出した彼らの神、主を捨てて、他の神々につき従い、それを拝み、それに仕えたために、主はこのすべての災を彼らの上に下したのである』と言うであろう」。

第8章

8:1ソロモンは二十年を経て、主の家と自分の家とを建て終った。8:2またソロモンはヒラムから送られた町々を建て直して、そこにイスラエルの人々を住ませた。
8:3ソロモンはまたハマテ・ゾバを攻めて、これを取った。8:4彼はまた荒野にタデモルを建て、もろもろの倉の町をハマテに建てた。8:5また城壁、門、貫の木のある堅固な町、上ベテホロンと下ベテホロンを建てた。8:6ソロモンはまたバアラテと自分のもっていたすべての倉の町と、すべての戦車の町と、騎兵の町、ならびにエルサレム、レバノンおよび自分の治める全地方に建てようと望んだものを、ことごとく建てた。8:7すべてイスラエルの子孫でないヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの残った民、8:8その地にあって彼らのあとに残ったその子孫、すなわちイスラエルの子孫が滅ぼし尽さなかった民に、ソロモンは強制徴募をおこなって今日に及んでいる。8:9しかし、イスラエルの人々をソロモンはその工事のためには、ひとりも奴隷としなかった。彼らは兵士となり、将校となり、戦車と、騎兵の長となった。8:10これらはソロモン王のおもな官吏で、二百五十人あり、民を治めた。
8:11ソロモンはパロの娘をダビデの町から連れ上って、彼女のために建てた家に入れて言った、「主の箱を迎えた所は神聖であるから、わたしの妻はイスラエルの王ダビデの家に住んではならない」。
8:12ソロモンは廊の前に築いておいた主の祭壇の上で主に燔祭をささげた。8:13すなわちモーセの命令に従って、毎日定めのようにささげ、安息日、新月および年に三度の祭、すなわち種入れぬパンの祭、七週の祭、仮庵の祭にこれをささげた。8:14ソロモンは、その父ダビデのおきてに従って、祭司の組を定めてその職に任じ、またレビびとをその勤めに任じて、毎日定めのように祭司の前でさんびと奉仕をさせ、また門を守る者に、その組にしたがって、もろもろの門を守らせた。これは神の人ダビデがこのように命じたからである。8:15祭司とレビびとはすべての事につき、また倉の事について、王の命令にそむかなかった。
8:16このようにソロモンは、主の宮の基をすえた日からこれをなし終えたときまで、その工事の準備をことごとくなしたので、主の宮は完成した。
8:17それからソロモンはエドムの地の海べにあるエジオン・ゲベルおよびエロテへ行った。8:18時にヒラムはそのしもべどもの手によって船団を彼に送り、また海の事になれたしもべどもをつかわしたので、彼らはソロモンのしもべらと共にオフルへ行き、そこから金四百五十タラントを取って、これをソロモン王のもとに携えてきた。

第9章

9:1シバの女王はソロモンの名声を聞いたので、難問をもってソロモンを試みようと、非常に多くの従者を連れ、香料と非常にたくさんの金と宝石とをらくだに負わせて、エルサレムのソロモンのもとに来て、その心にあることをことごとく彼に告げた。9:2ソロモンは彼女のすべての問に答えた。ソロモンが知らないで彼女に説明のできないことは一つもなかった。9:3シバの女王はソロモンの知恵と、彼が建てた家を見、9:4またその食卓の食物と、列座の家来たちと、その侍臣たちの伺候振りと彼らの服装、および彼の給仕たちとその服装、ならびに彼が主の宮でささげる燔祭を見て、全く気を奪われてしまった。
9:5彼女は王に言った、「わたしが国であなたの事と、あなたの知恵について聞いたうわさは真実でした。9:6しかしわたしは来て目に見るまでは、そのうわさを信じませんでしたが、今見ると、あなたの知恵の大いなることはその半分もわたしに知らされませんでした。あなたはわたしの聞いたうわさにまさっています。9:7あなたの奥方たちはさいわいです。常にあなたの前に立って、あなたの知恵を聞くこのあなたの家来たちはさいわいです。9:8あなたの神、主はほむべきかな。主はあなたを喜び、あなたをその位につかせ、あなたの神、主のために王とされました。あなたの神はイスラエルを愛して、とこしえにこれを堅くするために、あなたをその王とされ、公道と正義を行われるのです」。9:9そして彼女は金百二十タラント、および非常に多くの香料と宝石とを王に贈った。シバの女王がソロモンに贈ったような香料は、いまだかつてなかった。
9:10オフルから金を携えて来たヒラムのしもべたちとソロモンのしもべたちはまた、びゃくだんの木と宝石をも携えて来た。9:11王はそのびゃくだんの木で、主の宮と王の家とに階段を造り、また歌うたう者のために琴と立琴を造った。このようなものはかつてユダの地で見たことがなかった。
9:12ソロモン王は、シバの女王が贈った物に報いたほかに、彼女の望みにまかせて、すべてその求めるものを贈った。そして彼女はその家来たちと共に自分の国へ帰って行った。
9:13さて一年の間にソロモンの所にはいって来た金の目方は六百六十六タラントであった。9:14このほかに貿易商および商人の携えて来たものがあった。またアラビヤのすべての王たちおよび国の代官たちも金銀をソロモンに携えてきた。9:15ソロモン王は延金の大盾二百を造った。その大盾にはおのおの六百シケルの延金を用いた。9:16また延金の小盾三百を造った。小盾にはおのおの三百シケルの金を用いた。王はこれらをレバノンの森の家に置いた。9:17王はまた大きな象牙の玉座を造り、純金でこれをおおった。9:18その玉座には六つの段があり、また金の足台があって共に玉座につらなり、その座する所の両方に、ひじかけがあって、ひじかけのわきに二つのししが立っていた。9:19また十二のししが六つの段のおのおのの両側に立っていた。このような物はどこの国でも造られたことがなかった。9:20ソロモン王が飲むときに用いた器はみな金であった。またレバノンの森の家の器もみな純金であって、銀はソロモンの世には尊ばれなかった。9:21これは王の船がヒラムのしもべたちを乗せてタルシシへ行き、三年ごとに一度、そのタルシシの船が金、銀、象牙、さる、くじゃくを載せて来たからである。
9:22このようにソロモン王は富と知恵において、地のすべての王にまさっていたので、9:23地のすべての王は神がソロモンの心に授けられた知恵を聞こうとしてソロモンに謁見を求めた。9:24人々はおのおの贈り物を携えてきた。すなわち銀の器、金の器、衣服、没薬、香料、馬、騾馬など年々定まっていた。9:25ソロモンは馬と戦車のために馬屋四千と騎兵一万二千を持ち、これを戦車の町に置き、またエルサレムの王のもとに置いた。9:26彼はユフラテ川からペリシテびとの地と、エジプトの境に至るまでのすべての王を治めた。9:27王はまた銀を石のようにエルサレムに多くし、香柏を平野のいちじく桑のように多くした。9:28また人々はエジプトおよび諸国から馬をソロモンのために輸入した。
9:29ソロモンのそのほかの始終の行為は、預言者ナタンの書と、シロびとアヒヤの預言と、先見者イドがネバテの子ヤラベアムについて述べた黙示のなかに、しるされているではないか。9:30ソロモンはエルサレムで四十年の間イスラエルの全地を治めた。9:31ソロモンはその先祖たちと共に眠って、父ダビデの町に葬られ、その子レハベアムが代って王となった。


ヨハネ

第11章

11:1さて、ひとりの病人がいた。ラザロといい、マリヤとその姉妹マルタの村ベタニヤの人であった。11:2このマリヤは主に香油をぬり、自分の髪の毛で、主の足をふいた女であって、病気であったのは、彼女の兄弟ラザロであった。11:3姉妹たちは人をイエスのもとにつかわして、「主よ、ただ今、あなたが愛しておられる者が病気をしています」と言わせた。11:4イエスはそれを聞いて言われた、「この病気は死ぬほどのものではない。それは神の栄光のため、また、神の子がそれによって栄光を受けるためのものである」。
11:5イエスは、マルタとその姉妹とラザロとを愛しておられた。11:6ラザロが病気であることを聞いてから、なおふつか、そのおられた所に滞在された。11:7それから弟子たちに、「もう一度ユダヤに行こう」と言われた。11:8弟子たちは言った、「先生、ユダヤ人らが、さきほどもあなたを石で殺そうとしていましたのに、またそこに行かれるのですか」。11:9イエスは答えられた、「一日には十二時間あるではないか。昼間あるけば、人はつまずくことはない。この世の光を見ているからである。11:10しかし、夜あるけば、つまずく。その人のうちに、光がないからである」。11:11そう言われたが、それからまた、彼らに言われた、「わたしたちの友ラザロが眠っている。わたしは彼を起しに行く」。11:12すると弟子たちは言った、「主よ、眠っているのでしたら、助かるでしょう」。11:13イエスはラザロが死んだことを言われたのであるが、弟子たちは、眠って休んでいることをさして言われたのだと思った。11:14するとイエスは、あからさまに彼らに言われた、「ラザロは死んだのだ。11:15そして、わたしがそこにいあわせなかったことを、あなたがたのために喜ぶ。それは、あなたがたが信じるようになるためである。では、彼のところに行こう」。11:16するとデドモと呼ばれているトマスが、仲間の弟子たちに言った、「わたしたちも行って、先生と一緒に死のうではないか」。
11:17さて、イエスが行ってごらんになると、ラザロはすでに四日間も墓の中に置かれていた。11:18ベタニヤはエルサレムに近く、二十五丁ばかり離れたところにあった。11:19大ぜいのユダヤ人が、その兄弟のことで、マルタとマリヤとを慰めようとしてきていた。11:20マルタはイエスがこられたと聞いて、出迎えに行ったが、マリヤは家ですわっていた。11:21マルタはイエスに言った、「主よ、もしあなたがここにいて下さったなら、わたしの兄弟は死ななかったでしょう。11:22しかし、あなたがどんなことをお願いになっても、神はかなえて下さることを、わたしは今でも存じています」。11:23イエスはマルタに言われた、「あなたの兄弟はよみがえるであろう」。11:24マルタは言った、「終りの日のよみがえりの時よみがえることは、存じています」。11:25イエスは彼女に言われた、「わたしはよみがえりであり、命である。わたしを信じる者は、たとい死んでも生きる。11:26また、生きていて、わたしを信じる者は、いつまでも死なない。あなたはこれを信じるか」。11:27マルタはイエスに言った、「主よ、信じます。あなたがこの世にきたるべきキリスト、神の御子であると信じております」。11:28マルタはこう言ってから、帰って姉妹のマリヤを呼び、「先生がおいでになって、あなたを呼んでおられます」と小声で言った。11:29これを聞いたマリヤはすぐ立ち上がって、イエスのもとに行った。


Top